• フィーレンディールトラス構造十字型歩道橋プロジェクト
  • リング状型歩道橋プロジェクト
  • 木の葉型歩道橋プロジェクト
  • シェル型歩道橋プロジェクト
  • 三叉路アーチ型歩道橋プロジェクト

歩道橋計画案

第52回デザインギャラリー展「柳宗理 歩道橋計画案展」(銀座松屋)で発表されました。1968年に作成したわずか24頁のパンフレットの中に、今みても新鮮で、示唆に富む歩道橋デザイン案がいくつも並んでいます。これは、八幡製鉄からの依頼で、当時自動車交通量の激増を受け各地域で歩道橋が建設されているさなか、効率本位の構造物で歩行者への配慮や美観的要素がなされていない状況を危惧し、官公庁に訴え世論に問うべく考え方を示したものでした。
その冊子で、柳は次のように述べています。「何故、町の歩道橋は不格好なのだろう、ここには未だデザインがされていないからなのだろうか。或いは橋梁工学の厳しき追及がおろそかにされているからなのだろうか。景観を損なわない歩道橋、否、景観より生き生きと映えさせるような歩道橋、このような夢を抱いて歩道橋のデザインに取り組んでから、もはや2年になる。幸いスポンサーである八幡製鉄のよき理解の下、生産性の面から、はた又構造の面からのよき協力を得て、ここにその計画案を発表することになった。ここに提示されたものは未だアイデア段階に過ぎないものであるが、これが実現化をするには、更に個々の地形や景観に合わせてデザインを練らなければならないだろう。理解ある御後援を願う次第である。」