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関越自動車道:関越トンネル坑口

関越トンネルは群馬県(水上)と新潟県(湯沢)の県境にそびえる谷川岳を貫通し、しかも我が国最大(当時)の長大トンネルです。またこの地方は風雪が非常に激しいために、積雪の重量に耐え得る構造が必要で、さらに雪の吹き込みや除雪しやすいよう考慮しなければなりませんでした。
横長の馬蹄形のような形をした前面の坑口は、ドライバーに対して威圧感を与えることなく快適にスムーズにトンネル内に誘導し、大きく開いた開口部から徐々に奥へと入っていくにしたがって狭まっていきます。両サイドの厚い壁は二重構造になっており、外側(外壁)の下方部に設けられた採光窓から入った光は、坑口内部(内壁)の上方に抜けて天井壁に反射し、ほのかな柔らかい明かりの効果を醸し出します。このように採光窓が外壁下方部から内壁の上方部に斜めに開けられているため、直射光が入らない反射光となって、明暗の変化を和らげるドライバーの目にも優しいデザインに繋がりました。と同時にこの二重構造による採光窓は雪の吹き込みを防ぐ役割も担っています。

(写真提供: 関越自動車道・関越トンネル 1985年)