• 1998年
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BOX棚

このBOX棚のデザインは、大谷産業からの「取っ手の展覧会を主催するにあたり、取っ手をデザインと出展をお願いしたい」という依頼がきっかけで始まりました。そこで鋳物の取っ手を2種類デザインし、展覧会に出展しました。

これを受けて、「アトリエで使われている棚を製品化させてほしい」という新たな依頼がありました。アトリエの棚は、1954年にアトリエを四谷に移転した際、作業用スツール(エレファントスツール)とともにデザインされたものです。脚なしで正方形のボックスを並べるシンプルなものでした。1960年代には分室用に、正方形グリットの棚本体と脚部の2パーツからなる本棚もデザインされていました。そこで、これら2つの要素を組み合わせ、脚付きの入れ替え可能なボックスユニットの棚をデザイン。取っ手には展覧会に出展した鋳物のデザインを取り入れました。

展覧会の開催などに合わせて、試作を兼ねた異なる組み合わせのBOX棚が製造されました。
*1998年『柳宗理のデザインー戦後のパイオニア』展 セゾン美術館 (脚部長め)
*2000年『柳宗理 生活の中のデザイン』展 リビングセンターOZONE (脚部短め)
*2014年 金沢美術工芸大学柳宗理記念デザイン研究所開設

量産に向けて様々な試行錯誤が行われましたが、手間がかかり高額になってしまったうえ、耐震性の問題が生じたため、量産には至りませんでした。その後、耐震性や価格面を考慮して一体型のキャビネットとしてリデザインされましたが、こちらも量産には至っていません。