黒柄カトラリー #2250

当時佐藤商事の当時の開発部長だった秋元氏より「絶対にどこからも真似されない真似出来ないデザインをお願いしたい」と依頼されたことからデザインが始まりました。
柄はカバ材積層強化木(※)を使用しています。最初はステンレス本体の柄を積層材でサンドイッチするアイデアでしたが、それはある部分どこでもやっている工法でもあったことから、無理を承知で積層材そのものを柄にするアイデアを提示します。ステンレス本体の厚みの変化や柄部の積層材との接合加工等多くの課題がありましたが、前向きに捉えてくれた工場の技術者や職人たちと繰り返し試行錯誤してつくっていきました。ステンレスの皿部と積層材の柄部の継ぎ目は、一体の形状であるかのように段差がなく流れるような美しい形となりました。しかし、硬いステンレスと軟らかい木をひと続きの柄として滑らかに磨きあげるには、高い技術をもったわずかな職人にしかできない仕事であったことから、量産が難しく非常に高価なモノになってしまいました。

皿部は鍛造という加熱した金属を何度もたたいて形作る製造方法を用いて、少しずつ厚みを変えることで、従来のステンレス板からできたものとはまるで違う口当たりの良さとなりました。また、先端の皿部と持ち手の柄部の絶妙な重さのバランスが丁度よく手に馴染み、料理を口に運ぶ具合がとても心地良いものとなりました。和洋中問わずどんな料理にも相性よく使えるデザインです。

ステンレスは18-8 ステンレスを素材として作られています。
その特徴として、非常に頑丈にできていて壊れにくい。錆びにくく手入れが簡単。等があげられます。

※積層強化木とは、合成樹脂を木材の薄板に含浸させ、これを何枚も重ね合わせて高圧のもとに加熱圧縮してつくられているものです。木の繊維と合成樹脂が結合し、高い硬度と強靱性を備え、通常の木材にありがちな劣化の問題を解決しました。美しい自然の木目はそのままに保ちます。

販売元 : 佐藤商事