柳工業デザイン研究会 は1950 年にデザイナー柳宗理によって設立されたデザイン事務所です。食器や家具などの日用品をはじめ、橋や建造物、グラフィック等、人々の生活に関わるあらゆるもののデザインをしています。

当初よりデザインする際は使い手の視点に立ち、手で模型をつくりながら考える手法を一貫して続け、日々の暮らしを豊かにするもの、長く使い続けられるものをつくることを理念とし、活動してきました。

私たちは現在YANAGI DESIGNとして柳宗理の理念を受け継いだものづくりを続けるとともに、これまでの「柳宗理デザイン」の製品管理や、復刻、仕様変更の監修をしています。

模型をつくりながら考えていく手法

石こう轆轤を廻す柳宗理

YANAGI DESIGNでは、デザインをする際は常に模型をつくりながら考えます。最初は、紙等で簡単な模型をつくり段々とイメージする形にまとめていきます。さらに模型の精度を高めていき、デザイナー自ら使ってみて使いやすさを確かめたり、かたちのバランス見てデザインの方向性を探っていきます。このような模型製作による実験をデザインの完成まで何度も丁寧に繰り返します。

模型での検証は目で見るだけでなく実際に触って使い心地や形を確かめることができます。紙にきれいにスケッチを描いたり、CAD を使用し形をつくるような手法では細かいところまで判断はできません。最初から最後まで一貫して模型をつくり検討する手法はデザインの発想において有効な手段として事務所設立当初より続けられています。