• 共和ゴム版
  • KOKUYO版(2020)
  • KOKUYO版(2020)

ロータリーテープディスペンサー

共和護謨工業からセロファンテープの業界に進出する最初の商品として、卓上タイプとハンドタイプの2種類のテープカッターをザインして欲しいと依頼されました。共和護謨工業は「オーバンド」を作っている輪ゴム製品のメーカーでしたが、輪ゴムだけではこの先伸び悩む可能性が高いことから、一緒にテープカッターも販売していきたいとの意向でした。

メラミン部分の彫刻的造形と鉄鋳物によるベース部のコントラストが特徴的で、存在感のあるこのテープカッター。1960年代にデザインされた初期型に改良を加え、1963年にリデザインされてこのかたちになりました。

どの方向からでも使いやすい360度回転式の仕様は、主に業務用として考えられました。1つのテープカッターを複数人で共有し、方向を変える度に重たいディスペンサーを持ち上げている様子を目にして、これを回転してみたらどうかと思った事がきっかけでした。

テープ自体は水車のように垂直方向に回転し、ベース部分は石臼のように水平方向に回転。この垂直と水平の全く異なる2つの動作をどのように造形的にまとめるかに大変苦労したそうです。

そして2020年にYANAGIDESIGNOFFICEがデザイン監修し、KOKUYOから60年の時を経て復刻しました。
オリジナルのロータリーディスペンサーを3Dスキャン。形をデータ化し、忠実に作り上げていきました。
軽い切れ味とテープの切り口がまっすぐなコクヨオリジナルの刃を採用し、360度回転するロータリーの耐久性を確保する設計にすることで、使い勝手がアップグレードされています。

(写真提供: KOKUYO)