wpid:00547 横浜市営地下鉄の設備群

横浜市営地下鉄の設備群 | 横浜市営地下鉄開通にあたり、自動改札口・自動券売機、売店、電話ボックス、プラットフォーム の時計や消火栓、水飲み場・水汲み場、ベンチ・背もたれ、ゴミ入れ・灰皿、広告ケース等、設備 一式をトータルにデザインし、パブリック・デザインの先駆けとなりました。

柳の造形へのこだわりが周りの人を困らせることも多々ありましたが、当時の横浜市長・飛鳥田 一雄氏の右腕として企画調整局長を務めた田村明氏(都市設計家)は、「普通の歩道橋に比べコスト が数倍掛かるかもしれないが、こういうものは文化的に残ってこそ価値がある」と、柳のデザイン を後押ししたそうです。空間と時間、行政手続き等の制約が多い中で、行政とデザイナーが協力 し合うことによって、身近な市民生活に係るデザインの有意義性について示した早期の実例では ないでしょうか。

柳は「飛鳥田さんそして田村さんは、デザインをする上で欠かせない優秀な協力者であり、社会的にも必要な理解者だった」と言い続けていました。

壁画「港の精」は、GRC(Glassfiber Reinforced Concrete;ガラス繊維補強コンクリート)製で、柳と事務所スタッフの共同作業により製作したものです。セメントが流し込まれた型枠に板を渡して、その板の上に乗った柳が竹べらを使って波のうねりを実際に削り描きました。この壁画(中心部)にある金属レリーフの原案は、柳が学生時にデザインした人魚像の写真コラージュからきたもので、横浜をイメージする青い波にそれを取り込みました。|