青柳ういろうの包装紙

工業デザイナーとして有名な柳宗理ですが、東京美術学校時代には西洋画科を専攻、デザインを始めてからも前衛芸術に傾倒し、岡本太郎や滝口修造を含む「実験工房」の関係者とも親しくしていました。

当時、青柳総本家の社長であった後藤敬一郎氏は、写真家としても活躍、シュルレアリスムに傾倒し、被写体やスタイルを変化させながらも生涯にわたって前衛写真表現に取り組みました。また滝口修造の下に様々な分野の芸術家が集まって結成された「実験工房」(1951~57)の関係者とも交流が深く、後に瀧口を中心として結成された日本主観主義写真連盟(1956~)
に加わりました。

そのような縁もあり、後藤は工業デザイナーの柳を青柳総本家の美術顧問として迎え、商品のパッケージから、店舗の什器、内装全てのデザイン監修を依頼しました。
現在も、青柳ういろうの外箱はリニューアルを繰り返しながら、当時のデザインを大切に継承しています。