ファブリック バーコード(緑・茶)

このファブリックはその名の通り、バーコードをモチーフにデザインされました。日常にありふれているバーコードを、柳はいつも面白いと思いながら見ていたようです。

1998年「柳宗理のデザインー戦後のデザインのパイオニア」展(セゾン美術館)開催の際に発表されました。展覧会の半年前、柳の「バーコード柄のファブリックを作りたい」という突然の一言がきっかけとなり、デザインがはじまりました。まずは様々なバーコードを集め、それを拡大したり引き延ばしたりしながら複製し、パターンを作っていきました。半年間という限られた時間の中で、急ピッチで作業が進められ、ギリギリでしたが知人の工場で制作し、なんとか展覧会での発表に間に合わせることができました。

その後、布自体を染色する工程を加え、さらに一般家庭で使用しても違和感がないように柄のサイズを縮小するなど微調整を行い、展覧会の2年後に販売を開始しました。

柳は晩年も展覧会が回顧展になってしまうのを嫌い、新作発表の場としたいという意思を強く持っていました。展覧会のためにデザインをするとはっきりは言いませんが、展覧会の前には試作や製品化を一気に進めていたようです。実際にセゾン展でもファブリック以外に10近くの作品が初お披露目となりました。

販売元 : 柳ショップ