東名高速道路:足柄橋(斜張橋)

日本道路公団からの依頼で、斜張橋の主塔や橋脚、遮音壁、照明、盛土、そして全体の景観を包括的にデザインしました。この橋は、東名高速道路の象徴的な要素としてデザインされました。

この橋は壁高欄の高さと橋桁合わせるとかなり厚いため、橋桁の側面小口に長い水平の白線を入れ、すっきりとした印象を与えています。

また、太く重々しい主塔を少しでもスリムに見せるため、4つの面に縦ラインを強調する凹部を作り、四隅は曲面となっています。加えて、全体が上に行くにつれて内側に傾斜し、細くなるようにデザインされています。正面の凹部には青い防汚塗装が施されており、雨水による汚れが目立ちにくくなっています。この青色の塗装はコンクリートの冷たい印象を和らげ、空の青と重なり、周囲と調和しています。

橋脚は鉄骨鉄筋コンクリートで作られていますが、その圧迫感を和らげるために、主塔の下部を内側に絞り込み、縦に波型の凹凸をつけました。このような曲面を作るためには、三次元の木製型枠を作る必要があり、技術的にも時間的にも職人たちには大変な挑戦でした。

さらに、この斜張橋には高さ3mの遮音壁が取り付けられています。地震や気候の影響で橋が動いてしまった際には、防音壁に柔軟性が必要です。そのため、斜張橋に防音壁を取り付けることはとても珍しく、足柄橋はその少ない例の一つです。安全性や景観にも特別配慮が必要だったため、造形には大変苦慮したようです。