「第1回柳工業デザイン研究会」展 松屋銀座

柳工業デザイン研究会にとって初めての展覧会です。かなり初期に開催された展覧会ですが、前期の名作といわれる代表的な作品のほとんどが並んでいます。バタフライスツールもはじめて展示されました。

製品パッケージやペーパースカルプチャーの展示を含めたインスタレーションを中心に、車、ミシン、ストーブ、洗面台などの工業製品から照明、カーテン、スピードケトルなど家の中で使うものまで一通りデザインされています。

この展覧会に向けてたくさんの作品が試作され、この展覧会を見に来たメーカーから量産することになった作品も多くあります。コトブキのエレファントスツールもその内の一つです。

一方で、メーカーから声がかからず、製品化できなかった作品も多数ありましたが、その後、何十年越しに製品化された作品もあります。この展覧会に展示されているカーテンのファブリック(コノハ柄・エダ柄)は、1998年に販売を開始しました。

この展覧会を機に日本国内で柳宗理の名が知られるようになりました。翌年にミラノトリエンナーレに出展し、さらに国外でも知られてゆきます。

(写真提供: 第一回柳工業デザイン研究会展 1956年)