シェルチェアシリーズ

「この椅子は最初から椅子を作りたい!」と作り始めたものではありませんでした。紙で手遊びをする中で「紙を折り曲げくるっと輪を作る」というアイデアが発展し、形になりました。

背と座を一体成型することで、薄くても丈夫でかつ柔軟性のある合板のしなりが座り心地を良くするはずだと、天童木工社にその模型を持ち込み、検討を重ねました。一体成形によるこのシェルチェアは、座面の中心で6枚の単板を少しずつずらしながら、ぴったりと合うように調整するという、天童木工社の高い技術力により成り立っています。

また、背もたれの「穴」は、複雑な曲面を成形したときに出る「しわ」の逃げ道として機能しています。穴の上に切り込みを入れることでその部分の合板を後ろ側に押し曲げて腰の当たりを良くする効果を生んでいます。椅子を持ち運ぶ際には手持ち部分にもなるなど、この穴はこのシェルチェアにはかかせない重要な役割を果たしています。


テーブルは、1969年にコトブキ社でサイドチェアシリーズとしてデザインされたものを現代の生活環境に合わせリデザインし、シェルチェアシリーズの一部として販売しています。コトブキでは天板がメラミン化粧板タイプでしたが、シェルチェアの表面材に合わせてサペリタイプもつくられています。

(写真提供: 天童木工)

販売元 : 天童木工