• 茶碗 湯呑 急須 平皿(1975)
  • 丸紋:ぐい呑み/醤油差し(1988)
  • 波紋:醤油差し/湯呑/急須(1988)

染付和食器シリーズ

  • Year
    1975
    Manufacture
    白山陶器 (1975 - 不明)
    セラミックジャパン (1988 - 不明)
    深山(2022-)
    Category
    現行品, テーブルウェア

直線的なラインからなる洗練された形状が特徴的なこの「和食器シリーズ」。柳が和食用の食器として手がけた最初のうつわです。

1975年に柳がデザインし、白山陶器で製造されました。当時、白山陶器では森正洋氏が社員デザイナーとして活躍しており、柳は森氏に製法などを相談しながらデザインを進めました。デザインコミッティで出会った二人の交友が、このシリーズの誕生に繋がったとも言えるでしょう。その後も親しい関係性が続き、柳は事務所スタッフを、森氏のもとへ数ヶ月間送り、石膏技術を学ばせることもありました。

柳は数々の食器をデザインしてきましたが、そのほとんどが無地の白い器で、装飾をほどこした食器はほとんどありません。不要な装飾を避けてきた柳でしたが、「これにはこの模様があってよい」と、和食器シリーズには自らデザインした染付紋様を施し、周囲の人たちを驚かせました。

その後、生産工場の変更に伴って様々な変更がありましたが、2022年には柳のオリジナルデザインに即し、深山から復刻しました。開発当時のモデルから製品のかたちを綿密に測定。注ぎ口の取り付け位置や釉薬のたまり方をミリ単位で調整しながら、開発当初の形状を復元しました。また、染付の渦潮紋は銅版転写の技法により再現されています。

1970年代、和食器シリーズがデザインされた当時の日本では和食を食べる機会が多く、また3世帯同居が一般的でした。そのため、しょうゆ差しの容量は100cc~150ccが一般的でした。柳が1975年にデザインしたしょうゆ差し(大)も100ccサイズで設計されています。しかし、現代の日本では料理の幅が広がり、醤油を使う機会が減少するとともに、核家族化が進み、一度に使う量も少なくなっています。こうした暮らしにあわせて、オリジナルデザインのしょうゆ差し(大)を元に、容量50ccの使い切りやすいしょうゆ差し(小)を新たにデザインしました。

しょうゆ差し(小)は、しょうゆ差し(大)と同様に底が広いフラスコのような形状で、テーブルの上でうっかり手が当たってしまっても倒れにくくなっています。また、首から上部にかけてわずかに広がっていく形状をしており、持ち上げた際にしっかりとつかみやすいデザインです。使いやすさと見た目のバランスを探り、オリジナルの形状を生かしつつ、機能面をアップグレードしました。

販売元 : 深山