• トーチホルダー
  • 運搬用聖火コンテナー
  • 水泳競技場一般席、スタッキングチェア

東京オリンピックデザイン

柳は1964年の夏季東京オリンピックのデザインポリシーに積極的に参加しています。東京オリンピックは開催までの準備期間が短い中、デザインを統括していた評論家・勝見勝によってモニュメンタルな要素の強いものは各方面の指導的立場のデザイナーに依頼されました。
柳は聖火ランナーの持つトーチホルダーのデザインを任されました。トーチ内部の構造自体はほとんど決まっており、柳は主に外形を担当。トーチ上面の文字、そしてトーチを入れるパッケージ(構造)も合わせてデザインしています。またパッケージのグラフィックは杉浦康平氏のデザインです。
その他聖火運搬用コンテナー、水泳競技場観客席などのデザインも担当しました。
東京オリンピックは多数のトップデザイナーや建築家が一丸となって尽力した大プロジェクトとなり、統一されたデザインワークは国際的に高く評価されました。

また、国立代々木競技場を設計した丹下健三氏から依頼を受けた柳は、水泳競技場観客席もデザインを担当しました。
以前から研究していたシェル型の椅子を基にデザインを進めましたが、固定椅子としては強度が足りなかったため、別の椅子を採用する話になりかけました。当時担当したスタッフが「そうはさせじ」と改善策を考え、座の後ろ(お尻)側のふところをふくらませて弱い部分の断面積を広げることでシェルの強度が倍以上に増し、他の椅子の群を抜く強さとなり、採用となりました。
1972年札幌オリンピック開催にあたり真駒内屋外競技場(現セキスイハイムスタジアム)の観客席にも使用されています。
また、オリンピック時は座面にクッションはなく、その後一般流通するために丸いクッションを付けます。

(写真提供: 東京オリンピック運搬用聖火コンテナー)