• デザイン案

東京湾アクアライン 木更津金田本線料金所

当初は東京湾のシンボルに相応しい優美な曲線を持つデザインを検討していました(1枚目のデザイン案)。PC構造 (プレストレスコンクリート構造。高強度の鋼材で圧縮応力を与え、補強したコンクリート材で構 成される)を採用。トールゲート上屋部分を支える2本の支柱間は110m、その無柱空間を生かした 非常にダイナミックなデザイン案でした。

しかし、建設の遅れとそれに伴う資金不足、増設施工の困難さなど、多くの問題が生じました。 それに加え、1995年 阪神淡路大震災の際に現地のPC構造トールゲートに多大な被害が出たこと から、道路利用者のコンクリート構造への不安が増大しました。このような状況の変化に合わせ、 地震時の対応を考慮した鉄骨によるラーメン構造の新案を検討し、最終的には直線を基調と しながらも上屋の大きく反り返った曲面が特徴的なデザインとなりました。

トールゲート内部はすっきりとした開放的な空間とし、ドライバーだけでなく料金収受員からの 視界も良く、ゲートに対してアプローチしやすいデザインです。また、上屋部分に情報板・名称板を埋め込むように取り付け、上屋の造形と一体に収まっています。そうすることで軒が一直線 に通り、すっきりした印象となっています。

また、このトールゲートはカラーリングも特徴的です。トールゲート上屋部分の青は空と重なり、 柱の濃紺は海に溶け込み、田園に囲まれて東京湾に面した木更津地域の広々とした景観と一体となっています。料金収受員ブースは濃い緑をベースとし、中央に濃い赤の帯を巻いています。赤い 帯が沈みがちな緑に力強い印象を与え、ドライバーの注意を引く効果を狙っています。下りは緑 と赤を入れ替えてベースを赤、帯を緑とし、上りと識別しやすい仕様となっています。