スピードケトルと朝顔コンロ

「戦後のガス倹約のため、速く沸き、冷えにくいヤカンを作って欲しい」と東京ガスから依頼され、スピードケトルのデザイン開発がはじまりました。しかし、その後経済が復興すると、収益増収のためガスを多く使わせたい東京ガスは、熱効率の良いこのヤカンの生産を中止してしまったといいます。

中の構造が特徴的で、少しでも早く沸くよう火のあたる面積を大きくするために本体中心部に円筒状の加熱筒があります。また、ハンドルもユニークで、収納しやすいようハンドルから手を離すと自然に倒れる仕組みになっています。
残念ながら、このヤカンは短期間で販売が終了してしまいましたが、その考えは1994年にデザインした“ステンレスケトル”に引き継がれています。